年末感/年始感

2023年を慎ましく通り抜けて2024年に。
元旦。いつものことながら正月らしいことをしないのでお正月の感覚はないのだけれど、年始の感覚はうっすらある。人はそこに区切りをつけたことによって年末年始の境目に何か非常に大きな節目が存在するような気になるのだけど、人間以外の動物には到底理解することのできない感覚だ。いつも時間の概念に縛られながら時間のアートをする矛盾がいかにも人間的な特徴。時間の概念とはつまり言語で成立してるものだから、言語にそんな奥行きを持たせた人間、とゆうか、そんな奥行きのある言語を扱い始めたところが人間の自滅の始まりなのだけど。
何はともあれ言語があることが大前提とした上で、人はルールを作ることを覚えてしまったので、社会化して生きる人間に秩序をもたらすためにルールは便利なツールだから、たくさんのルールを設けた。ルールを設ける行為というのはゲームを作る行為とほぼ同じなので人間はゲームの中に生きていると言って良いのだと思う。そして他者と同じ区域で衝突せずに生きていくために人は社会人としての演技を覚えて俳優になり様々な役割を演じていく。なので大雑把にいうと、人々はゲームの中で常に俳優をしてるドラマチックな生物という位置付けになると思う。
世の中のほぼ全ての建築物は人間のアタマの中でシミュレートされたものなので、人は自分のアタマの中に住んでいる。ほぼ全ての交通機関も人がその脳の中で考えてシミュレートした結果生まれたツールなので、みんなそれに乗って移動する。全て言語が作り出したものの中で人は生活し、自然を侵食する。
自然も人間にとっては言語でできている。
言語とはつまり人間にそんな大きな勘違いをさせる存在でもある。文字通りの頭でっかちだ。というわけで人間はほぼ勘違いしてると言って過言ではない気がする。でもこの話は本当の意味では極限まで突き詰めることはできない。それをすると急速で大々的な自滅を図る人が出てきてしまうから。それは悲劇になるので、ひとまず大多数の人間はこの”ゆっくりな自滅”を選んでいるように見える。自分の生きている間には起こってほしくない悲劇をどれだけ後回しにできるかを期待して。
そんなわけで僕もそのような人間のひとりだ。
だから自分のココロを傾けられることを見つけたらそれを研究して深く掘り下げていくことが自分にとってのささやかな喜びになるし、一生をかけるに値する時間潰しになるわけで。時間潰しとはまさにゲームそのものではないですか。
人類はゲームの中で生きてるのだからもちろんおいそれと簡単に変更できないルールがいっぱいあるのだけど(一般的にそれは法律と呼ばれたりする)、個々人それぞれの単体の中でも小さく奇妙なルールが無限に存在する。そのルール設定に関してはそれより大枠(コミュニティ)の秩序を破壊するものでさえなければ自由に組み替え可能になっていて、そこがおそらくパーソナルにいじれる可動領域で、その結果、社会的にも何かしらの影響を及ぼすような能力を発揮するようなことも起こる。
そういったパーソナルゲームが無限にあって、器用な人や不器用な人や深い考察のある人や何も想像力を働かさない人たちがいるので、そこに身体性という最も強力な"個性”が相まってオリジナリティが生じる。そのオリジナリティを活用して今自分の中にある素材たちをまた何か別の器に移し替えること、これがアート行為を含むクリエイティブ行動になってくる。
それは何かを創りだしてるようで、その実、移し替えてるだけだったりすることもあるし、その行為自体は何かからの代償行為かもしれないのだけど、それでもそこで生まれたものに人は稀に救われたりする。自分が作ったものに救われ、またそれは他人を救うこともある。
人は無意識レベルで救済を求めてそのような行為をするので、それも言語という存在からバランスを取るためのエントロピー増大の解消方法ということなのかもしれない。全ての人間に睡眠が必要なように。
さて、そんなわけで社会的には極めて疎いので目立って大きな動きがあるようには見えないと思うのだけど、自分の中では常に幾つかのプロジェクトが進行していて。と言ってもゴールのあるものではなくて。僕は自分に方向づけをしてるだけで、あとはそれがどう転がって、どう発展して、そこから何を連想してそこにどんな矢印が付加されてどこまで流れていくのか。先のことはわからないし、大きな目星をつけて動いてるわけでもなくて、やはり今、自分のしてることに率直に反応する、ということを繰り返しているだけなのだけど。
それは必ずしも前に向けて、ということではないのかもしれないけれど、常に絶えず移動することにほかならない。移動のスピードは極めて遅いのかもしれない。でも進んでる。まるでカタツムリの時間軸のように。

 

 

言語は整理するためにはとても便利だ。思考にも向いてる。けど、非言語的なところの反射を楽しみたいな。そんな反射をまだ信用できるうちに。