Macbook, 高熱, 紅葉

12年間使ってきたMacが玉虫色的に重たくなってきて、録音やミックス作業に支障をきたすようになりとうとう新しいMacを手に入れてしまった。今でも古いコのほうをメインに使ってはいるのだけれど。でも新しいコでブログを書くのはこれが最初。

なんとなく体調がすぐれないなあと思いつつ友人を招待。僕が積極的に他人を家に呼ぶなんてこといつ以来だろ。親友が誕生日を迎えたところだったのでお祝いにと。

 

日々の些末なことを話しながら料理を作って少しずつテーブルに並べつつ。お酒の封を開けてグラスに注いで一口飲んでみて全く味がしないことに気づく。実は料理を作っていても味がわからず。あれれ?と戸惑いつつ、とにかく作って2人でそれらをつまみつつ。

 

まあ単に風邪だったんだろう。ここまで見事に味覚と嗅覚がやられると不思議と野良猫のことを考えてしまう。もし僕がノラで外での生活をしていたとしたら、こんなに鼻が効かない状態では食べて良いものか危険なものなのか嗅ぎ分けられず、変なものを間違って食べてお腹を壊すだろうな。そしてそれで体力を奪われて、この寒空の下、体温も奪われていくのかもしれない。特に野良猫に限らず、動物が野生で生きてたら、歳を重ねたらこういったリスクが増えるのだろうけど。でも何しろ野良猫は野生というよりも街中に生きてることが多いわけだから、間違ったものを口に運ぶ機会が多いだろうなとふと思って。

 

風邪っぴきの人間に招待された友人も気の毒ではあったけど、料理とお酒を美味しく味わってくれて嬉しかった。久しぶりに一緒にギターを弾いたりした。チャーリーヘイデンのノクターンに入ってる1曲め。随分と前に聴いていた曲なのに記憶の枝にしっかりと絡みついてる。ゴンサロルバルカバの弾くピアノの旋律が正確で、あたたかい。

 

美味しいと言って食べてくれる親友の横で味のないお酒を飲みつつ、なんだか次第に体調が悪化してきた。ボトルを1本空けてしまって、さて次に何を飲む?という段階で「ケイ、具合悪そうだな、すごい涙目になってるぞ」と言われて初めて自分が涙目なことに気づく。彼は気を利かせて少し早めに退散していった。駅まで送ろうと上着とマフラーをあたふたと身にまとおうとしている僕を制して、「ここで大丈夫」と言って。

 

彼が出ていったのと入れ違いに猛烈な頭痛と急な高熱がチャイムも押さずにやってきた。

急な高熱ってもしかしてインフル?と疑う間も無くベッドに倒れこんでそこからはもう頭痛との戦い。痛さで無言でのたうちまわってるうちにいつの間にか寝落ちていた。どれくらい時間が経過したのかわからないけど次に目を覚ました時にも頭痛はまだそこにいて僕の頭のあらゆる部分をギリギリと締め上げているところだった。水を飲みたいと思ったけど動けずしばらくそのままにしていたのだけど、やはりトイレにと無理やり起き上がって。そしたらびっくりするくらい絵に描いたような玉の涙がポロポロポロポロと次から次へと落ちていって、特に泣きたい気分でもなかったし、涙が出る前兆のようなものもなかったのでちょっと驚いた。こんなふうに自分が涙を流すことがあるんだって思って。

トイレから戻ってまたベッドに潜り込みなかなか帰ろうとしない頭痛と一緒に横になった。痛みに耐えているうちにいつしかまた寝落ちていた。

 

ふと目が覚めた。いつもよりも早くに寝落ちてしまってきっといろんな人間からいろんな連絡事項が来てるだろうとiPhoneを確かめる。そこでハッと気づく。頭痛と高熱が嘘みたいに消えて無くなってる。さっきまでの拷問のような感覚が消えて、台風一過の空のように雲ひとつない。自分の身体ってこうして僕の知らないところで頑張って体温あげたりして菌を殺したりしてるんだなってぼんやりしたアタマで考える。コーヒーでも飲みたいなと思ったけどスッキリしてたのはアタマだけで、身体のほうはひどく重かった。咳も出始めていた。しかたない、身体は僕が眠ってる間も戦っててくれたのだから。

 

Macを手に入れてからのこの1ヶ月弱、アルバム制作で本当にバタバタしていて。ましてやベーッシクな部分のみとはいえミックスダウンという作業は素人の人間がやるにはあまりにも意識しておかないといけない事柄が多すぎて。それに耳ってすぐにバカになるので急いで進めたくても耳の回復を待つ時間も必要で。でもそれはイースト菌を発酵させるように大事な時間でもあって、それがないときれいに膨らまなかったり。つまり楽曲や言葉を1日おくというのも過程の一つだなって。それによって全体の聞こえ方がまた変わってたりするし。

ミックス作業の中で僕やもう一人関わってもらった方も含めて何度もやり直しと意見交換ががあり、時には感情的にもなり、その後のマスタリングでノイズが乗ってしまってることが発覚して、通常のマスタリングとは異なり3日間くらいかけて直せる分だけ直してもらって。思えばもっと最初の段階での録り音に気をつけていればこんなノイズは生じなかったのだろうとかいろんなことに悔やみつつ。

 

ある日、アルバムのレコ発の宣伝のためのキャッチコピーを集まって決めたおりに、近くの公園でSNSや新しいHP用に使う写真を撮って欲しいと頼まれカメラを手渡され公園へ。写真も本当はプロにお願いした方が腕も機材も違うだろうにとも思いつつ、まあ僕でよければといくつかの写真を。赤や黄色の紅葉との対比、緑や逆光との混ざり具合とか。いくつか本人の納得のいくものが撮れたので撮影会も無事終了。

 

こうした依頼がなかったら心が忙しすぎてゆっくり木々を眺める気持ちにもならなかったんだろうな。もっとも今回だって木々をゆっくりとなんて眺めてないけれど。。

 

病み上がりな午前4時過ぎのブログ。相変わらず思いつくままの支離滅裂な。

数時間後には下北の某スタジオでガットギターの録音。その後 茨城に移動してライブ。もう少し寝ておくか。