2日間ほどMacから離れようと思った。
しばらく顔を見ていない店のマスターのところに顔出してビールを1杯
飲んでこようと思い立ち早起きしていろんな雑用をすませ電車に乗った。
本当は高速バスで行きたかったけれど大型連休前日だったので渋滞を恐れたのだ。
ゆっくり本でも読もうと思って買ったばかりのある自伝的なものを片手に
電車のシートに腰掛ける。この本は出た当初から興味があったけれど
大樹さんとのレコーディングを控えて何か面白い啓示を得られるのではと
購入してみた。限られた時間の制約の中でこれまでと違ったことをやろうとするのに
何かしらの心理的作用というかモチベーションが欲しかったのかも。
店は静岡にある。
その店主は最後に会ったとき随分と体調を悪そうにしていたから
知人のシンガーにメールした。「まだやってるのかな?」
夕方4時半に駅に着いてぶらぶらと歩く。こういうのって睡眠と似てる。
特に何かを集中して行うわけでもないのにちゃんと自分の内面に影響する。
普段と違う空気の中を散歩するだけでかなり整理されたり。
効率の悪いことって概ね効率的だ。
繁華街(今ではもうかなり閑散としていたけれど)の角を曲がろうとしたところで
知り合いのドラマーにばったり会う。こんな早い時間に街を歩いてるなんて珍しい。
時刻はそろそろ5時になろうとしていた。
このあたりを歩いている理由を説明すると店まだ開いてないだろと笑われる。
それもそうだなと思いつつ先輩ドラマーに手を振りもう少し散歩。思ったより寒い。
しばらくうろうろしていたのだけど気がついたら店の前に来てしまった。
ちょうど店主が暖簾をかけに外へ出てきたところだった。
表のライトを点けてるところへ声をかける。開店前に着いたことを詫びつつ
中に入れてもらう。仕込み前の店内でカウンターの端っこに座らせてもらって
店主が掃除をするのを眺める。何か手伝おうか尋ねたけれどもちろんそんなこと
やらせてくれない。 掃除のあと温かいおしぼりを受け取りビールを注文する。
大瓶だ。いつもの習慣で店主に1杯勧めてみたけれど彼は穏やかにそれを断った。
ぽつぽつと会話になってないような会話をしつつカウンターの椅子に深く腰掛けて
ぼんやりする。毎日ぼんやりと生きてるのだけどここでは特にぼんやりするのだ。
古い音楽が流れてる。色褪せたレコードジャケットが老朽化した壁と同じくらい
汚く劣化して何枚も並んでる。
それらをぼんやりを見上げながら煙草でも吸いたい気分になったけれどあいにく
もうやめて長いので持ってない。いろいろと回想してるうちにひとりの年配客が入ってきた。
常連らしく店主と馴れ馴れしく話す。
「北朝鮮、なかなか撃たねえなぁ」「つまんないねえ、楽しみにしてるんだけどねえ」
70前後のふたりの不謹慎な会話を聞きつつビールを飲み終えて出てきた。
本当に1本だけしか飲まないつもりでいた。
いつの間にか薄暗くなっていた外に出てまた駅までゆっくり歩く。
さて。録音どうしようかな。
アルバムのタイトルだけは思いついたんだけど。
4月もそろそろ終わる。
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山田 ひろみ (月曜日, 28 3月 2016 00:54)
もうすぐ4月。。。。。
といっても、2016年。
私は行ったことのないお店。。。(あたりまえですが)
今も、ぼんやり したい人を待ってくれて居るのかなぁ~