長い事お手伝いしてきたカナダ人Michael Boustanyの録音とミックスがほぼ完了し、プロセスはようやく終盤にさしかかりつつある。マイケルくんとはシンガーであり作曲家の江崎とし子さんの紹介で知合った。
なかなかわかりやすいPop/Rock路線を好む彼は僕とは対照的な存在なのだけど、何はともあれ数年前に出会って以来ライブも録音もずっとお手伝いしてきた。1枚目のEPを録音するにあたりbang on recordingのエンジニアである喜多野さんを紹介し、以来この関係性は継続している。
今回は2枚目というのか、最初のフルアルバムというべきか、とにかくEP的な 趣向ではないものになった。あまりアレンジというものをカッチリと決めない
マイケルの楽曲に対してエンジニアであり共同プロデューサー的役割の喜多野氏
がいろいろとアイデアを出しつつ、ほとんどプリプロを作るようにリアルタイムで
録音は行われていった。
みんなのスケジュールもありなかなか時間のかかる作業だったけれどとにかく
やっともうじき終わるのだ。よかったよかった。
この録音が始まってから彼を取り囲むサポートメンバー内でもいろいろあった。
いろいろと憂鬱な事情を抱えながらもなんとかカタチになりつつあることについては
非常に喜ぶべきことだと思う。
そんなわけでつい先日マスタリングの日程をマイケルが送って来た。
数週間後に指定されたマスタリング場所はなんとL.A.だった。
事の経緯を話すと長くなるので簡単に説明すると、冬休みに地元トロントに帰省
した彼はフェスか何かに出かけ、そこで古い友人とばったり出会う。
その友人は今ではTV局の人間で、最近著名なエンジニアの特集番組を撮ったばかり
だという。その特集されたエンジニアの名前はエディークレイマーだったそうだ。
まあ知ってる人は知ってる。ビートルズだとかジミヘンだとかゼッペリンとかの
エンジニアを務めた巨匠。きっともっとたくさんの大物アーティストと絡んでるはず
だけどリストを挙げたらキリがないので。それで「凄いぢゃん!」とマイケルが
言ったかどうかは定かじゃないけどその友人が「じゃあ電話してみる?」と言って
その場でケータイからエディに連絡をつけてくれたそうな。で、エディと仲良くなって
何度か話すうちにマイケルは自分が今録音中だったことをふと思い出したんだね。
でもこの巨匠はマスタリングをする人ではないので代わりに彼の信頼するエンジニアを
何人か紹介された。そのうちの1人とマイケルは数ヶ月前にL.Aに直接会いに行って
心を決めたのだそうだ。ええと、確か名前はクリスベルマン。
この名前は僕は知らない人だったけど、調べてみたら星の数ほど大量の音源で僕が既に
聴いた事あるアルバムのマスタリングをしてる人だった。ふーん。と思った。
というわけで9月にL.Aのスタジオに。
どこか自分のよく知らないスタジオに行って、よく知らない他人の手法を目の当たり
に見れるのはとても興味深い。やはり立ち会いでマスタリングしたいものね。
場所はその昔、自分が19の頃に一時期住んでいた所にとても近いので(徒歩20分圏内だ)
あの辺りが今はどうなってるのかも気になるところ。
実はフランス人ユニット"lo-shi"のエリックとジュリアンのイベントが9/14にあって
僕はそこに観に行く約束をしていて、僕自身それを楽しみにしていた。
でも飛行機の日程の関係でその日に僕は東京を離れないといけないことになってしまった。
まだ2人には伝えてないけど本当にごめんよ。代わりと言ってはナンだけど、他の
ライブのときに必ず顔だすから。
*写真は以前にライブしに行った時のFM軽井沢ラジオブース内。ベースのキヨさんも。
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steelbeck (土曜日, 01 9月 2012 02:54)
おおー、エディ・クレイマー〜〜〜〜〜〜じゃ、ないのね。そうか、マスタリングはしないのか。そのへん詳しくないのでベルマンさんも分からないけど、きっと良い音になるんだろうねー。
kei takasugi(タカスギケイ) (土曜日, 01 9月 2012 07:17)
エディさん本人がやってくれるわけじゃないんですよー。でもそのクリス(ベルマン)さんのマスタリングはsteelbeckさんも既に何枚も聴いてると思います。まあマスタリングなので、元の演奏や楽曲や歌や録音が良くないと意味ないんでしょうけど。ちょうどマイケルくんが彼のオフィスで話をしてるところに仕上がったばかりの音源が届いたらしくて「今これに関わってたんだよ」と見せてくれたのがジョーウォルシュの新しいアルバムだったそうです。