2006年にブラジルから帰国して、この冬になって初めて風邪をひいた。
2006年から一度も風邪をひいてないというのは自分の中でもびっくりする
事実だったけれど、そろそろひくだろうとは思っていた。予感というか。
むしろ そろそろ風邪でもひいてくれないと困るなと思っていた。
人は時にはバランスを崩してまた立ち直るということを必要とするものなんだ。
直立二足歩行の生き物は基本的に転ぶものだから。関係ないか。はは、こじつけ。
久しぶりの喉と鼻の奥の痛み。なつかしい。
ボンヤリした頭で借りて来たマリアカラスのドキュメンタリー映画を観た。
彼女が「与えられた」人生を考えた。
マリア自身が「与えられた」と感じた事柄と、実際に彼女が「与えられた」もの
との落差について思いを巡らせた。
ついでに「獺祭魚a」という曲を録音してみた。
いや、この映画とは特に関係ない曲だけど。
いつものように適当にギターを弾いてるだけ。ライブと同じ一発録り。
先週末は宇都宮に行ってきました。Bar Lynchという空間。
狭いスペースでとても親密な人々に囲まれて良い時間でした。
演奏そのものはあまり集中できず、ちょっとだらだらしたものになってしまった。
でもお店のオーナーのカズさんの音楽的趣味はとても良いし(常に気になる音楽を
かけてる印象)、タイバンしたBastetさんも良かった。
あのバンドはまだまだこれからも化けそうな感じ。
以前 日光の実験音楽祭というのに参加させていただいたときにこちらの
マスターと知合って(日光のランカトルグカフェのオーナーでもある)、そのご縁で。
もともとはムーンカンパニーの谷津さんの紹介で知り合いました。
谷津さんというのは僕がまだソロで弾き始めた矢先(2年半前くらい?)にStax Fredや
Big Mouthで演奏するように紹介してくれた人。Asia SunRiseさんと地方での
ライブを組んでくれたり。そんな訳で今まで自分とは縁もゆかりもなかった弾き語りの
ハコや弾き語りのアーティスト達とつながりを持つようになったんですね。
狭い東京、近くに住んでいてもテリトリーが違うだけで意外と会わないみたいで。
同じ理由で最近は全くジャズの人々との接触が失われてる僕なのだけど。
ちなみに宇都宮では写真家の山口稔さんという僕の2ndアルバムのジャケットや
ライブで使用するスライドショーを作ってくれてる方に大変お世話になり、
その山口さんとは2年ほど前に益子のイチトニブンノイチカフェというアート空間な
場所で初めて会ったんです。僕のライブと彼の写真展が同じ日に同じ場所で行われた
というのが正確な事実かな。そんな背景もあって今回は山口さんご夫妻に連れられて
2年ぶりにお邪魔してオーナーのまなぶさんが忙しそうにする姿を眺めながら
美味しいコーヒーをいただいてきました。
店に入るなりすぐに「ケイくん!」と思い出してもらえて嬉しかった。
こちらのオーナーもかなりアートに造詣が深く、コンセプチュアルで精力的に
ご自身の活動をされてる方です。こちらももともと谷津さんのご紹介。
久しぶりの益子も良かったけれど、今回は主に宇都宮にいました。
上述の山口さんの奥さん(ゆみさん)の美味しい手料理に舌鼓を打ち、山口さんと初めて
酒を酌み交わし彼が影響を受けたという写真集をいくつか拝見させていただいた。
とても興味深い体験でした。写真のことには全く無知だった僕だけれど実に面白い。
まだデジタルを使う前の山口稔氏がこもって写真を制作していたアトリエのような暗室を
案内されて内心ワクワクしてしまった。その部屋とそこにある特殊な機材のもつ時間の蓄積に。
スタジオもそうだけど、僕は人の作業の痕跡の残ったプライベートな作業場にとてもとても
魅力を感じるんです。貴重な経験となった時間でした。
さて、ここに書いたいくつかの繋がりからも今月のライブは発生しています。
順番は滅茶苦茶になっちゃうけど、まず冒頭に書いたブラジルですね。
2005年当時、僕はサンパウロでGereia Geralというバンドに参加していて、
リーダーであり作曲家/ピアニストの矢崎愛が久しぶりに帰国ツアーをやるというので
都内と新潟の2つだけ参加させてもらうことに。フライヤー → 今月の13日と18日。
矢崎愛のオリジナル曲はクラシックの素養とブラジル音楽の様々なスタイルからの構造、
それからジャズ的テンションに美しいメロディという感じだろか。
今回のツアーに参加するブラジル人のアンドレジュアレスはミルトンナシメントや
エグベルトジスモンチなど多数の名のあるアーティストとの共演歴を持つ人らしい。
彼の経歴は最近知ったけど凄いですね。
楽しみではあるけれど、僕自身が最近すっかりこんな感じ(?)のふわふわした
演奏家になってしまったので上手いこと合わせられるのか少し不安(^_^;
矢崎愛は今2枚目のソロアルバムを製作中で、僕は1曲参加する予定なんです。
最近懇意になったというジョアンドナートの曲を自分のアレンジでカバーするみたい。
出来上がったら買ってくださいね♪
それから13日 中目黒 楽屋で一緒にやるライブでは江崎とし子さんも参加します。
江崎とし子さんの去年発売されたアルバムに僕も少しだけ参加していて、
その中の「浮遊する白」という曲は実は僕が今年作った2ndアルバムの「消滅ノ時間」
と同じ曲です。
江崎さんのブログでも紹介してくれていた(感謝!)けれど、この曲はもともと
江崎さんのアルバムの為に書いて先に収録されていたものを、僕が勝手に自分のCD
にもちゃっかり応用してしまったんですね。でもサウンドは異なります。
江崎さんのはご本人の存在感溢れるwordless voiceが入ってより短めなアレンジに
なってるのに対し、僕のは声無しのおおもとのテイクです。興味を持った方は
江崎さんバージョンも是非 購入して聴いてみてください♪
(このあたりのアルバム情報は以前のブログとも重複していますがまだ読んでない方の為に。)
さてそれから。
先ほど紹介した谷津さん繋がりでもある「えこ」と11/5に西小山slowで演奏します。
数年前にも同じ場所で同じメンツでほぼ同じ事をやりました。
水中写真家の中村卓哉さんも参加して彼の作品のスライドショーとトークも合わせて。
えこも何枚目かのアルバムをリリースしたばかりで、僕自身は彼女の2枚目の作品と同様
今回も1曲だけ参加しています。
えこらしい素朴さとある種の諦観を持った深さ/シンプルさをそこに感じました。
田辺玄くんの素晴らしいmixやギターサウンドもこの作品の通奏低音的な雰囲気を支える
一つの柱になっていると思う。こちらもおすすめ作品です。是非♪
いやあ、他の人のアルバムだとこんなに簡単に購買をおすすめすることが
できてしまうんだ。自分のは申し訳なくてなかなか堂々と「買ってね」とは言えない。。
そのことを先月 小野一穂くんに叱られたばかりだったな(笑)
ものを売る人はそれが料理屋さんであれ建具屋さんであれ自信を持って自分の作ったものを
勧めるべきなのに。むしろ「申し訳ない」と思う方が失礼かもしれないのにね。
だってレストランで「申し訳ないですが」って料理出されたら心配になりますよね。
僕もそう思って自分の売りながら逞しく生きていこうと思ったりもするのだけど
やはりどこか疑ってるフシがあるんだろう。自分自身を。情けない。中途半端な証拠だ。
「だってこんなに不安定な自分が作ったものなんて」と考えてしまう。
そんな売れないギタリストの葛藤はさておき、閑話休題。
さて、他に宣伝すべきライブは「不自分」ですね。
泥流ことデールストロンバーグの楽曲をバンド編成でやっています。
彼は弾き語りで登場したのでその頃からの彼の世界観を好んでいる人々は
アコギ1本での彼の詩/歌を堪能してきたはずだけど、一緒にやるようになって
若干ポストロック路線の方向で少しずつ成長している段階です。
まだまだこれから発展していくはずのバンドなので温かい目で見守ってあげて
時々ライブに来てはその成長ぶりを楽しんでもらえたら嬉しいです。
僕としては「様変わりしたと言われるほど化ける可能性」を持ったバンドの
つもりでやりたいのだけど。そう簡単には化けないですね(笑)
今月のフルバンド編成でのライブは4日 と26日になります。
泥流のフライヤーやライブinfoは「不自分」まで。
さて、そんなところかな。自分のソロもたまにやってますが
まあ僕のは・・・ねえ(それがいけないってさっき書いたばかりだ。。)
それでは今回も長いブログになってごめんなさい。
ライブ会場でお会いしたら「ブログ長いよ」と苦情をください。それでは。
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